小雪演じる摩耶が東京から故郷の函館に戻り、高校時代の友人に大金を渡していく。
本作を一言でいえばそういう映画だ。
なぜ摩耶がそんな大金を持っているのか?また受け取った方も裏取りとかしないのか?
そんな疑問は最後まで解決しない。でもこの空気感が心地いいのだ。
本作は「寓話」なのだと思う。
お金にまつわる苦労や画策は誰もが経験あることだが、森田監督のオリジナル脚本らしくそこは「分捕り競争」
などにはならず、結局は「人」に焦点を当てていくから嫌味じゃないのだ。
ホストに入れ込む小山田サユリや、金欲満タンの黒谷友香の役でさえ同情視線になってしまう。
これって森組の傑作「ランドリー」と同じモチーフなのではないか。小雪も出てるし(笑)。
この作品は「全くお金のない」3人組が織りなすステキな「寓話」だったけれど、「お金を自由に使っていい」のも
同じシチュエーションになるんだなあ、というのが良く分かった。
また、舞台が函館なのも「寓話」の世界をより作り上げていた。
ゲスト出演も森田組らしく豪華で、ゲストながら重要な役となる袴田吉彦をはじめ、住職役の永島敏行や最後まで
ナゾの行動をする「セントラルアーツ専属俳優(笑)」仲村トオルも相変わらず「濃い」。
それから「間宮兄弟」つながりだろうが、一瞬北川景子も出ている。「えっ、どこ?」と言う方は探してください。
特典映像は函館の1カ月を追ったメイキングと舞台挨拶が収録されている。
公開からDVD化まで珍しく時間がかかった作品だが、個人的には好きな作風です。星は4つ。