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5つ星のうち 4.0
シュールで、なつかしく、はかない、心の琴線に触れる悲しい世界,
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レビュー対象商品: わたしを離さないで (初回生産限定仕様) [Blu-ray] (Blu-ray)
「日の名残」のカズオ・イシグロ原作、ということだけで観ました。「日の名残」は、現実なのに現実でないような、 不思議な世界でしたが、人の心を、自然の重ねて描写した 見事な作品でした。その原作なんですから、観ないわけにはいかない。 この映画、始まりは、まったくいつの時代なのか、何のことなのか、 よくわからない。でも、どこかの寄宿学校の少女と少年たちの 物語なんだか、というのはわかる。純真だけど繊細な彼彼女たちの 多感な学校生活。 しかし、ある教師の告白がきっかけで、彼・彼女たちは 特別な存在であることがわかる。 そして、月日が流れ別の施設に移った彼らを待っていた運命とは。 主人公を演じるキャリー・マリガンの純粋で無垢。しかし 悲しみをたたえた表情は見ていて引き込まれます。 ラスト、夕日に向かって独白する彼女の表情は、観ていて感無量になる。 生きていこう。せっかくの生。無駄にはしない。そんなせつない感覚 につつまれる、心の機微をたっぶりと表現したカメラワークも堪能 できます。オススメの佳作です。
5つ星のうち 5.0
静かな悲しみに溢れるメッセージ,
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レビュー対象商品: わたしを離さないで (初回生産限定仕様) [Blu-ray] (Blu-ray)
この小説の設定はSF的なんだが、実際に人の命や生活を「社会」が消費する時というのは、これくらい非現実的な理屈が付けられるものだ。だから、このお話の設定がリアリティを纏っているんだと思う。カズオ・イシグロのメッセージは主人公のラストの台詞に凝縮されているが、そこに至るまでの主要登場人物3名の表情が既にこの台詞を物語っている。本当に悲しい映画だが、絵作りも音楽も俳優達の演技も全てがこのお話の世界観にマッチしているところが素晴らしい。今、そばにいる人を大切にしたい、という気持ちを強く与えてくれたが、同時に、人はみんな、幸せになる権利があるということ、そしてそんな権利を奇妙な理屈を付けて奪う社会は絶対におかしい、というメッセージが、美しくも静かな悲しみのトーンで伝わってくる。 これが本当の「小説」の力であり、「映画」の力なんだと思う。
5つ星のうち 5.0
残酷で命を静かに語る作品,
By DVD (千葉市花見川区 ) - レビューをすべて見る
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外界から隔離された奇宿学校ヘールシャムで学ぶ子供たちは、特別な存在として育てられる。腕にはセンサーが付けられ、 徹底した健康管理の下、絵を描いたり詩を朗読したりと、 高度な教育を施されているが、彼らは皆・クローン人間と 称される子供たちだ。彼らが存在している理由は、臓器を提供 する目的で育てられる。 クローン人間も臓器提供も合法とみなされる社会を舞台とした 話だ。幼い頃から臓器提供で社会に貢献することを教育された 子供たちは、成長しても、その運命を社会に託している。 作品では、臓器提供者であるキャシーを通して回想として語られる。 奇宿学校時代に、キャシー・トミー・ルースの三人は共に生活を していたが、18歳になり農場へ移ると、トミーとルースは恋仲になり キャシーは孤立をする。ポルノ雑誌を見て自分の親を探す行為や、 クローンであることへの疑問を持つ思春期だが、やがて共同生活を していた三人は、農場を出て違う生活を送る。 ある者は臓器適合者が見付かり、肉体をきざまれる者や、 安らかな死を考える者。そしてキャシーは優秀な介護人として 臓器提供者の世話と死を見届ける。 社会に疑問を持ち、ささやかな抵抗をするが、キャシーもまた 臓器提供者である。 作品は『命』を考える作りだが、同時に魂も考える。 独特の空気が伝わる作品だが、その作りは残酷で悲しい。
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