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5つ星のうち 5.0
いのちの豊かな満ち潮を感じて生きる,
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レビュー対象商品: わたしを超えて―いのちの往復書簡 (単行本)
ここに収められた対話は、一度しか会っていない二人の、ほぼ一年間にわたる往復書簡である。お互いの日常から、哲学、健康や病気、体と心の問題、また禅や瞑想など、その話題は実に無尽蔵であった。その対話のすべてがやがて一羽の鳳に変身して、大空に「飛翔」していく。それと同じことを「わたしを超えて」と表現したのだろうと言う。交わされた書簡のテーマは、秘密への扉、混沌にかえる、イメージ療法、瞑想入門、空の体験「般若心経」、奇跡と心、因果律を離れて、心とからだの風通し、霊性への目覚め等々、精神世界の事柄で占められいても、一般読者にも分かり易い、丁寧な説明体の文章であるのは、ありがたい。 玄侑宗久は芥川賞作家で僧侶でもあり、禅的生活をされている。岸本葉子はエッセイスト。「四十でがんになってから」「40代からはつらつと生きるために」「ぼんやり生きてはもったいない」という書名でも分かる通り、多くの読者に共感されている。癌と闘いながら、あくまでも明るく生きようとする生活に密着した文章を書いている。その柔らかい感性と透明な知性で的確に、この往復書簡に加わっている。 本書が「魂の旅の記録」と言えるのは、お互いに「知性でくるまれた魂」でつながり、励まし、支え合っている崇高さをここにしかと見る思いがする。 「おわりに」岸本は次のような印象深いことばで結ぶ。 「もがくうちに天衣を失い、溺れかけ、どこかの岩場にしがみつくこともあろう。でも今は、もう、思い煩わない。私を運ぶ思いがけない浮力に驚きながら、いのちの豊かな満ち潮に身をゆだねることにしたい。 2006年 春待ち月」 「おわりに」玄侑は「岸本さんが感じられた何分の一かでも〈いのちの豊かな満ち潮〉を感じていただければ望外の幸せである。 2006年 極月」
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