衝撃的なタイトルにびっくりした人も多いでしょう。世界最年少の離婚訴訟、それに勝って離婚を勝ち取った少女として、彼女のニュースは世界を駆け巡りました。その勇気を称え、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008」にも輝いています。
普通の家庭の育ったノジュオド、しかしある出来事をきっかけに一家は村は出て行かなくてはならなくなります。一家は都会に出てくるものの、父親は失業、清掃員の仕事がある時はその仕事をやるという、不安定で極貧の状態になってしまいます。
結果、父親が言い出したのは、ノジュオドの結婚。口減らしと、この結婚によって相手からもらえるお金(この一家にとっては高額なお金であった)のため、3倍以上の年の男と結婚することになりました。
しかし、「結婚後1年間性交渉しない」という父親と交わした約束を相手は守らず、結婚した日から性的虐待、肉体的虐待が始まります。しかも、その男だけでなく、その男の母親や姉妹まで暴力を振るうようになったのだから、呆れたものです。
2ヶ月でノジュオドは「実家に遊びに行く」と行ってその家を逃げ出し、そのまま両親に離婚したい旨伝えます。しかし、横暴な父、父に従順な弱い母は承知してくれません。
窮地に陥った彼女が向かった先は…、なんとノジュオドの父の二番目の妻の所でした!(イエメンでは、法律で複数妻を持つことが認められており、二番目の妻、というのは後妻や愛人という意味ではなく、二番目に妻にした正式な妻です)。実母以外の父の配偶者ということで、ノジュオドとは仲が悪そうなのですが、そうではありませんでした。ノジュオドは彼女のことを慕っていました。彼女は、一家の貧困と共に、父に忘れられた存在となっていました。その彼女が、積極的にノジュオドの離婚を支持、いろいろアドバイスをし、裁判所に行くバス代も貸してくれたのです。
ノジュオドの勇気と勝利の影に、彼女の存在があります。もし彼女がいなかったら、ノジュオドは今の心身ともに苦しい生活をしていたでしょう。ノジュオドの苦境を救ったのが、実の両親ではなく、義理の母親である彼女だったことは悲しいです。彼女も、夫に省みられない二番目の妻として、女性の立場の弱さを痛感していたのでしょう。
案外スムーズに離婚が認めらたのは、10歳という年齢が、イエメンの法定結婚年齢に達していなかったから。もし彼女がほんのちょっと年上で、法定結婚年齢に達していたら、と思うとぞっとします。女性の地位の低いイエメンで、離婚が認められなかったかも知れません。
引いてしまうような重たい話、と感じるかも知れませんが、実際書いたのはライターのデルフィヌ・ミヌイさんです。(なんといってもノジュオドは10歳ですから)。10歳のノジュオドの目線で書き、重たくならないような工夫はされています。
現在ノジュオドは復学、弁護士めざして勉強中です。女性弁護士に救われたように、自分も弁護士になって苦しむ女性を救いたいと言っています。この本も印税も、その勉強のための費用に当てられるみたいです。
皆様に、この本を買って読むことをお勧めします。