雑誌、岡崎さんの本で田中さんの蟲文庫の事は知っていました。この本の出版を知り、アマゾンさんに注文しましたが、品切れ、行きつけの書店でも品切れ、注文を出すと、版元でも返品待ちとの事で、ようやく本書を手に入れる事が出来ました。
著者の田中さんは、高卒後会社勤めをしますが、身体を壊し退社します。子供の頃から要領が悪く、人付き合いもあまり得意でなく、ただ本が好きそして、あまり資金も無いという安易な考えで古本屋を開店します。当然経営は容易なものでなく、書店の営業時間以外は、コンビニのレジ打ち、郵便局の内勤、等アルバイトをして、赤字を補填し、店の経営を維持しました。しかし、この頃、雑誌で苔観察日誌が掲載されたことから、ぼちぼち蟲文庫が認知されてきたようです。古本以外にも苔袋、オリジナルのトートバック蟲土産、CD等を置いたり、友部さんを始め、あがたさん等のライヴをやったり、トーク・イベント、フィルム上映会・・店を維持する為あらゆることをしました。そして、2000年に現在地へ店を移転。資金100万、手持ちの本400〜500冊でスタートし、アルバイトを始め色んな試みをしてきましたが、総ては店を維持する為です。
田中さんが最後の方で書いていますが、この商売、しんどい割にはびっくりするほど儲からないそうで、好きでないとやってられない仕事らしいです。そんな彼女は、この店の役割を私設公民館のようなものではないかと考えているようです。この本で取上げられている、小山清、木山捷平、R・ブローティガン・・田中さんの好みが解るような気がします。そして、定休日も決め、猫2〜3匹、亀9匹、ヒラクワガタ2匹、金魚4匹、メダカ5匹、そして、苔の従業員と共に田中さんは、今日も店の経営にいそしんでいます。