この本の著者である井上裕之氏は、奥様が交通事故で瀕死の重傷を負い、
命の保証はない、生きられたとしても植物人間になると、
医師から宣告を受けていたのだそうである。
そのころにジョセフ・マーフィーの思想にふれ、
ひたすらに奥様の回復を祈り、
その祈りを潜在意識に送り続けたとのことである。
人と人の潜在意識は、地下茎のようにつながりあっているようで、
井上氏の意識が奥様の回復への確信で満たされれば満たされるほど、
奥様ご本人も、ご自分の回復をつゆほども疑わなくなったという。
ここまでくれば鬼に金棒。
お医者様からさじを投げられたにもかかわらず、
奥様は本当に回復され、
現在はふつうに生活していらっしゃるとのことである。
とかく我々は、相手を変えよう、相手を癒そうとしがちであり、
とくに精神世界や自己啓発にのめりこみがちなタイプの人種によくみられる口癖は、
「わたしはポジティブに考えるようにしてるんだけど、
夫が(妻が、家族が、彼が、彼女が、etc...)ネガティブで...」
といった具合で、
自分はちゃんとやってるのに、相手がどうしようもないといった具合で
自己弁護しがちなきらいがあるように思う。
しかし結局のところ、我々の信念も我々の疑念も、
すべてが潜在意識を通じてその相手に伝わってしまっているわけで、
相手がネガティブだとしたら、
それは我々自身が見ないようにしている
潜在意識下に隠し持った不安や怖れを鏡となって映し出してくれているにすぎない。
この本は、この原理原則を、
著者である井上氏の奥様の回復という事例を持って、明確に示してくれた。
この本は、実は三回読んだのだが、
マーフィーの言葉がここまでパワフルであったのかと、
あらためてマーフィーの思想の偉大さに畏敬の念を呼び起こされた次第である。