娘の命を守るため、きわめて重い選択を迫られている家族の物語。
かなり極端な設定とはいえ、実話を元にした作品だけに、
それぞれの登場人物の心の葛藤が息苦しいほど伝わってきます。
親に向かって訴訟を起こすアナ、姉ケイトを救うためアナに
無理を強いる母、不良化する兄ジェシーや家族を見守るしかない父ブライアン。
どの人物にも説得力があるだけに、一見平凡なアメリカの家庭を描きながら
普遍的な人間性を示した優れた作品となっています。
アメリカの中流家庭では、子供に対する親の管理が日本と
比較にならないくらい厳しく、従ってサラ(アナの母)のような
母親が存在するのもうなずけますが、アナに犠牲を求めるのを
どこかで正当化している部分には、少しばかり傲慢さを感じるとともに、
母親としてぎりぎりの選択を強いられる悲しさも伝わってきて、胸をつかれました。
衝撃的な結末には読んでいて涙がでてしまいました。
原題は"My Sister`s Keeper"(私の姉の番人)、聖書のカインの言葉のもじりです。
この本を原作とした映画がもうすぐ公開されますが、
本作を読むことで、作者の伝えたかったことが一層理解できると思います。