<まえがきに代えて>でチクリと批判されている三浦展自身がなんとレビューを寄せている本書。
ただそのレビューを読むと、批判(「議論が偏ったデータに依拠している」など)への応答と
いうよりも、電通と組むのはどうかねぇという、これまたチクリとした批判に終わっている。
私自身、三浦氏は「マーケティング説教オヤジ」だと思っている。
さて本書であるが、内容があるようでない、といえばいいだろうか。消費と社会学(鈴木謙
介)といえば何か面白そうという雰囲気が漂うので読んだのだが、ちょっとがっかりか。
本書タイトルにもなっている「わたしたち消費」というのは、言ってしまえば口コミである。
はい、終わり。
<物語>があらかじめ設定された大量消費社会の後に、ものがあふれかえり、<物語>が成り
立たなくなり、個々人がそれぞれの趣味趣向でものを消費する時代を経て、今ではネタ的コミ
ュニケーションを媒介にした情報の広がりがヒット商品が生んでいくらしい。長ったらし
く書いたけど、それってつまり、口コミでしょ?
結局、ポスト大量消費社会の「消費による自己実現」は名ばかりで、だれもが「消費の仕方の
モデル」、つまり<物語>の代替物を必要としていたわけで、その代替物こそが共同性=ネタ
的コミュニケーションなわけだ。企業はそのコミュニケーションに上手く介入して甘い汁を吸
えとのこと。
第五章はいちばんえげつなくて、電通社員みたいになった気分だった。