スウェーデンでは、夏に避暑地に行くのは珍しいことではなく、流行作家とは言いがたいメルケルでも、家族を避暑地に連れて行くことは可能。それで選んだのはウミガラス島―青い海に囲まれた小さな島。島の名前が気に入って借りたので、借りる家については見たこともない。「非常識」って思う人がいるかもしれないけど、それがこのメルケルって男なのだ。子供のようにお天気やで、のんきで、そして愛すべき人。
その横で、メルケルの考えのなさに密かにため息をついてるのは、長女のマーリン。マーリンはメルケル家で大切な人だ。小さな弟たちの世話をするのは―マーリン、メルケルの世話を出来るのは―マーリン、料理するのは―マーリン、そう母親を亡くしているこの家では、マーリンがいないと動かないのだ。その上、金髪でかわいらしくて優しいときてる。みんなが大好きなのも不思議じゃない。
ユーハンと二クラスは腕白盛りの男の子だ。もう島での冒険を考えてうずうずしてる。
一番下はペッレ。7歳になるペッレは生き物が大好きだ。動物・鳥・魚・昆虫、ありとあらゆる生物が彼にとってのかわいい動物なのだ。
こんな、メルケル一家を乗せて、船は島に着いた。彼らの過ごす家―スニッケル荘は、雨漏りするのは間違いなしの古い二階建てだった。その上その日は雨が降ってた。
だけど、マーリンは一目でその家を好きになったのだ。家だけじゃない、島そのものも好きになった。この島で幸せな夏が始まる。
家族構成はブリッドマリの話に似てます。やかまし村と同じく、スウェーデンでの四季と家族の話ですが、今回は魅力的なお隣さんまで出てきます。本文だけで401Pもある上に、児童書にしては文字も小さく、大人にとっても読み応えがあり、お得感があります。
大好きな話です、とても大好きな話です。まあ、リンドグレーンの話は大抵どれも好きなんですが、その中でもトップレベルに入ります。有名な話じゃないかもしれませんが、リンドグレーン好きなら絶対、絶対はずせない話です。本当大好きなんですよ。