「想像力とユーモア」が狂信者の心に「気付き」を与える具体例として、著者の友人とイスラエルのタクシー運転手のやりとりが紹介されていますが、たいへんわかりやすくかつ共感を抱く挿話でした。全編を通じて理屈じみた抽象論ではなく、誰もが身近に感じられる具体例をあげ、そこから普遍性を引き出していて、著者の思考力、洞察力に深い敬意を感じました。また、中東戦争では銃を取って戦った著者だからこそ、文学こそが歴史を動かし得る、という主張に力強い説得力があります。テーマからして決して明るい話ではないのに、不思議と希望や元気をもらえる、素敵な本です。