著者は日本を代表する宗教学者。その経験と知識から、一般に目を背けられがちな「死」について正面から向き合い、世代を問わずわかりやすい切り口で語っている。
宮沢賢治などの文学や古典、あるいは日本人の精神性から語られる「死」は、一見すると難しいのだが、それを大変わかりやすくまとめている。
特に古典から学ぶ「死」と「無常」の章を読むと、現代に生きる私たちがいかに歴史の影響を受けているかがよくわかる。
大人はもちろん、元々が児童向けに書かれた本だけに子どもや中高生でも大変得るものが多いのではないかと思う。
著者のいう通り、「死」は怖れるものでもあるが、自然のイメージと一体になることで、最終的には優しく受け入れるべきものなのかもしれない。それが日本人の精神性ということなのだろうか。