こういう「犬もの」「猫もの」は大抵フジテレビかtvkが製作しているが、今回の主導は青森県の
媒体各社のようだ。
青森の鰺ヶ沢トライアスロンと白神山地のPRに、わさおを絡めているのはキャンペーンとしてみれば
成功していると思う。
そして何と言っても本作が凄いのは、わさおを本物のわさおが演じていることだ。
まだ未見の皆さん、決してわさおは湘南動物プロダクションの犬じゃありません。
薬師丸ひろ子もメイキングで、わさおがわさおだから出演を受けた、と語っているが、ゆえに
この作品の雰囲気が「ホンモノ」に感じられるのだろう。
しかし、脚本があまりにダメである。
錦織監督も前作「レイルウェイズ」の成功からの抜擢だろうが、脚本家はもう少し吟味するべきだった。
まず、わさおが野良犬になるきっかけの母親の交通事故だが、1年間も寝たきりなのに物語のクライマックスで
「そろそろ手術を受けましょう」っていうのは医学的に正しいのか?内臓疾患ならともかく、これだけで入り込めない。
その息子とわさおの繋がりも雑だし、姉役にはせっかく吉永惇を起用しているのに、ほとんど活躍の場もない。
県の企画としては成功だろうが、トライアスロンとの連関もあんまりだ。
これまたせっかく鈴木砂羽と甲本雅裕といういい俳優を起用しているのに、ほぼ「意味なし」ってどういうことか?
薬師丸ひろ子と平田満の夫婦や、笹野高史の猟師までもがどこかぎこちない。
薬師丸が主題歌まで歌うのは角川映画以来であり、これは微笑ましかったが、正直ホンの悪さにはあきれた。
特典映像は25分ほどのメイキングが収録。まさにわさおワールドに彩られた(笑)メイキングなので
犬好きには堪らないだろう。
ストーリーは星ゼロだが、わさおの素晴らしい演技力(その悪戦苦闘ぶりはメイキングで堪能できる)に3つ。