佐々氏の書かれるものは、「自慢話」臭さが気になるが、ご自身の体験であるからには仕方がない。
東日本大震災と東京電力福島原子力発電所事故の時代に、佐々氏の「危機管理の専門家」の看板も色褪せて見えるが、平和な時代には「スキャンダル克服の秘訣」を売り物に、マスコミ業界で生き残ることも必要であったのだろう。本書出版後の2011年、日本に本当の国家危機が訪れようとは、「危機管理の専門家」も「想定外」であったのだろう。
その上で本書であるが、表紙写真の酒井法子、中川昭一、赤城徳彦の姿が、本書の販売戦略の「季節物本」的色彩を増幅しているが、これはあくまで出版社と編集者の責任であろう。
内容的には、最近の企業と企業家等々の記者会見を具体例に、危機におけるマスコミ対応等の出来不出来を評価し、佐々流のアドバイスを加えるという形である。
「治(ち)に居て乱を忘れず」の言葉を思い出しながら、一読するのも一興と思う。