『
レインマン (アルティメット・エディション) [DVD]』のバリー・レヴィンソンが、東欧から移民
した一家の三世代を描くセンチメンタルな自伝的年代記。『
ダイナー 特別版 [DVD]』、『ティ
ン・メン』(日本未公開)に続く、レヴィンソンの「ボルティモアもの」の一編である。
前半は、アーミン・ミュラー=スタールの視点で、アメリカへの夢が描かれ(彼がアメリカ
に上陸すると、『
ナチュラル コレクターズ・エディション [DVD]』のように色とりどりの花火
が彼を祝福する!)、後半は、孫のイライジャ・ウッドの視点で、おじいちゃんスタールの
老いと寂しさが描かれる(英語が上手くないおじいちゃんが、孫との意思疎通が出来ない描
写などはせつない)…という構成の妙が、無邪気なアメリカン・ドリームや古き良き時代の
賞讃とその終焉の対比を浮かび上がらせている。レヴィンソンの演出は、悠々として穏や
かなもので、深い余韻を残す。自伝的な題材というと、過度にセンチメンタルになりがち
だが、これは匙加減が絶妙で、品がいい。加えて、スタールの陰翳に富んだ素晴らしい演
技も作品の出来を成功に導いたと言えるだろう。
DVDの画質は良好。この作品の美しい思い出のような、落ち着いた渋い色調を楽しめる。