親──と一口に言っても、父親と母親とでは、
就活に臨む我が子に対する目線は大きく異なるでしょう。
本書は、どちらかというと「母親」に向けた内容です。
中でも、専業主婦など、企業の最前線からは一歩ひいて、
家庭内を日常生活の中心に置いている母親には、
かなり参考になるのではないかと思います。
今でも現役の正社員として企業で働いている親なら、
最近の社会情勢などを踏まえた企業の採用活動の動向は、
人事関連の部署にいなくても、ある程度は分かるでしょう。
そういう意味で、父親は、多くの場合、
あえて本書を読まなくても良いのではないかと思います。
また、現役社会人(会社人?)の母親も同様です。
しかしながら、一度は企業に就職したとしても、
結婚や出産を機に退職してしまったり、
パートタイム労働に雇用形態が変わったりして、
第一線から退いてしまっている母親にとっては、
我が子の就職活動の実像が見えにくくなっていると思うので、
本書のような「ガイドブック」的な存在が必要でしょう。
本書では、今現在の就職活動事情の紹介と、
その中での様々なシチュエーションにおいて、
親(主に母親)が、何をすべきか、どんな言葉をかけるべきか、
あるいは、何をしてはいけないか、どんな言葉をかけてはいけないか、
などの「サポート方法」が、丁寧に書かれています。
とはいうものの、就職活動というのは、
結局は、ケースバイケースなので、
100パーセント、この本に依存していれば大丈夫!というものでもありません。
積極的に「今、母親として何をすべきか」を、考える姿勢は必要です。
我が子の就活を通して、自分自身も成長していこう、というくらいの、
ポジティブな姿勢を持つ親にとっては、本書は大いに参考になるでしょう。
また、タイトルにも書いたとおり、
具体的な行動指南(How toモノ)として捉えるよりも、
何となく「何をしたら良いのかが分からないと」という思いを、
少しでも軽減することによって、
我が子へのサポートがスムースに行えるようになる──というような、
精神的な安心感を与えてくれる本として捉えたほうが、
むしろ、良いのかもしれません。
我が子の就職活動がどうなっているのか、何をしたら良いのか、
漠然とした疑問に囚われて、不安になっているような方なら、
読む価値は十分にあると思います。