元日銀の考査官が著者。固い本ではなく読みやすい。民間業者が感じていても云えないことを、このような立場の方がバランスよく方向感として示す意味は大きい。IT等に求める過剰品質が国際的競争力を落としかねないと理解した。
私が共感したのは次の主張。
・IT障害をゼロにすることは不可能に近い。リスクは無くすものではなく、顕在化した際の備えを用意し的確に管理することこそが肝要である。
・プロマネや情報セキュリティへの管理過多は、働く人の元気を奪うことに繋がる。「これは変だ」と言う声を素直に上げにくい状況を生んでいるのはおかしい。
・自社の状況をよく考えることなく、行政当局のガイドラインやコンサル会社の提案通りに対策している事例も多く見られる。
・品質への過剰なこだわりから時間をかけ過ぎていたら、ビジネスチャンスを逃し、我々を取り巻く情勢が変わってしまう恐れがある。
・IT障害に対するメディアの報道は冷静さを欠いていることがある。IT業界の特質をよく理解してほしい。