作品内容は上述の方々の内容を参考にしてください。この映画は名人ロバート・ボルトの戯曲を自ら映画にしたものです。監督のフレッド・ジンネマン以下、撮影、美術、編集どれをとっても一流の仕事です。さらにポール・スコフィールドの端正ながら新年の揺るがないトーマス・モアの見事ななりきり演技、そして脇を固める主役級の俳優陣の強烈な個性の演技、これらが融合して見事な映画になっています。信念、信条をゆるがせにしない事とは、権力におもねらない事とは、これらを観る者に強烈に印象付けます。あたかも赤狩りに見舞われたハリウッドの、映画人の心情を垣間見るようです。俳優の演技は凄いです。どの場面でも、それぞれが場をさらっています。フレッド・ジンネマン監督は手堅く、冷徹に歴史的事実を今日的な意味を持たせて、私たちに提示してきます。いわゆるスペクタクルな見せ場はないものの、火花散る個性のぶつかり合い、権力と宗教の横暴、インサイダーとアウトサイダーの立ち位置の違い、等々、初めて見た小学生の頃受けた圧倒的な感動が、今回DVDで再見しても、色褪せることなく、今の私たちに問いかけてきます。マスト・バイの1枚としてお勧めいたします。たまには中身のある映画に浸ることも重要です。