プラネタリウムの解説にありますよね。「ここからここまでの星の並びをXX座といいます。」(星を線でつないだ図の投影)「では星座絵を見てみましょう」(線とはまったく違う不思議な絵の投影)このように星座に、星の並びとつながらない意外な名前がつけられているのは、中世アラビアからギリシャ、エジプト、そして古代メソポタミアにまでさかのぼる紆余曲折があったためなのです。
この本は、古代メソポタミアの星座を紹介したものです。メソポタミア各地から出土した粘土板文書「ムル・アピン」についてのギャヴィン・ホワイトの研究に基づいています。
たとえば「野」という星座は現代のペガサス座の四辺形を豊かな耕地にみたてたもの、だとか。「雇夫」は「野」の横で耕作する人ですが発音がおなじ「おひつじ」に変わってしまった、とか。この辺はまあ納得できる線ですが、「立つ神々」とか「座る犬」とか、現在の星座をどう区切っているものやら、この本の説明ではよくわからないものもいろいろあります。
星図と対比してくれたらいいんだけど、つけられないのはおそらくこじつけがあるためなんでしょうね。せめて一等星だけでも対比表をつくったほうがよいと思います。
逆に、現在の山羊座の星座絵が下半身魚であるのは、メソポタミアのエア神が「巨大な鯉+牡ヤギ」という名前を持っていたことからきているというのは、わかりやすい。
あと「楔形文字が何を表しているのかという対応一覧表」は1ページ10文字分ぐらいですのであまり期待してはいけません。