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91 人中、78人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「わかったつもり」にさせる術は意図的に使われると怖い,
By 六等星 (神奈川県川崎市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) (新書)
本書は「わかったつもり」に陥るメカニズムについて詳細に解説している。文章内での各部分の関連、読み手の発想を支配する文脈、などによって「よりよく読む」ことが如何に容易に妨げらるか、について深く掘り下げて説いているので、質の高い文章を読み書きしたい向きには、面白いだろう。ただ文章の仔細な部分へのこだわりが強すぎる気もする。「わかったつもり」も必ずしも悪いわけではない。「わかったつもり」で終わっても、読むこと自体を楽しむ読み方もある。たとえば、本書で使われている正倉院の文章にしても、シルクロードから渡ってきた宝物の点数を読み取れなくても、商人達は何語で話したのか、価格はどのように決まったのか、など全く違う視点で遥か古の通商の様子に思いを馳せることが出来れば、それでも「よく読めた」ことになるのではないだろうか。文芸書には読み手側に読み方の自由があるのだと思う。 一方、ビジネスの世界では、読み手に読みとりかたを考えさせる文章は失格だ。誰が読んでも誤解の無い、簡潔な文章を書かなければならない。「わかったつもり」のレベルで読まれても、仕事が進むのに十分な文章を書くのが、書き手の責任である。 ところで本書から学べる事の一つは、読み手を「わかったつもり」にさせるテクニックが存在するということだ。教育や政治、宗教の世界でこのテクニックを意図的に使われると、これは怖い。そういう意味では、これらの分野では、読み手も気を抜いているわけにはいけないだろう。 この本を読んで、まさに「わかったつもり」のメカニズムを「わかったつもり」になってしまわず、文章の目的や内容によって読み方をコントロールできる自信のある人には、お勧めである。
70 人中、60人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
自ら問題点を発見し対処する力を,
By
レビュー対象商品: わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) (新書)
著者は読解力がつかない本当の原因は、単に文章を理解できないことにあるのではなく、理解したつもりになっていることにあるとする。そして、より深い読解力をつけるためには、まず現段階では「わかったつもり」でしかないことを自覚し、その状態から「脱却」することが必要であると説く。小学校の国語の教科書に掲載されている文章を題材にしながら、実際にその過程をなぞっていこうとする試みは実におもしろい。最終的には現在の国語教育に対する提言まで行っている。 読解の構造を認知心理学あるいは科学的な観点も踏まえて解き明かしている点で、現在受験を控えている学生ばかりでなく、広く大学生・社会人にとっても得ることの少なくない本である。読解力は何も国語の点数を取るためだけに必要なのではない。自ら問題点を発見し、日常生活や仕事の質をより高いレベルに持っていくためにも大切な力である。学校での国語学習はむしろ将来必要となるそうした読解力を養成することに重点を置くべきであり、試験問題もそれに沿った形で作成されるべきであるとする著者の考えには共感するところが多い。 何にせよ人間は思い込むと、その状態にロックオンしてしまって思考が停止してしまいがちである。そのことによって実生活で弊害が起きてしまうこともしばしばである。より高みに到達するには、まず正面から疑ってかかることであろう。現状に満足していたりあるいは現実に目をそむけていてはロックオンした状態からは抜け出せない。 本書は人生をよりよく生きる一つのきっかけを与えてくれる本である。
26 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「わかったつもり」から「よりわかる」へ,
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レビュー対象商品: わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) (新書)
本書を一言で表せば…普段、文章を読んでいて「わかった!」と思うのは、実は「わかったつもり」だったのだと気が付かせてくれる本…といえる。著者は、この「わかったつもり」という状態は、読み手自身が「わかった」と認識しているだけに、厄介な問題であると主張しているわけである。したがって、より深くわかるためには、この「わかったつもり」を自らの手で壊す必要があると説いているわけである。 さて、そんな本書の構成は大きく分けると… ・ 「わかったつもり」になってしまうメカニズムの解説 ・ 「わかったつもり」を壊し「よりわかる」にする方法 の二つに分けることができる。 前半では、「わかったつもり」になるメカニズムを解説している。後半では、「わかったつもり」を壊して、「よりわかる」に昇華するにはどうすればよいか解説している。そして、最終的には、センター試験の国語を実例に挙げて、国語教育の問題点に触れて終わる。 本書を読んだからといって、今まで出来なかったことが出来るようになるというわけではないかもしれない。しかし、本書を読んだことで、今後文章を精読しようというときに、何らかの良い影響を与えることは間違いないであろう。読んだ本が知識に変わっていないと感じるならば、一読をお勧めしたい。
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