相変わらずと言えばこれほど相変わらずな展開もないほどいつも通りではあるが、朋美やセルニアといった、いわゆるフラグの立ったトップグループを形成する面々の感情的な変化が出てきているので、以前と似通った展開でも、そのリアクションがちょっとだけ異なるような違いが滲み出た面白さがある。秋晴もまた、これまで通りに悶々といろいろ考えては結果的に流され、最終的には被害を被るいつものパターンながら、女性陣の微かな変化に気付いて戸惑うような場面があったりして、ほんの少しだけ今までとは違う側面を見せ始めている。あとがきによれば次巻でかなりの動きがあるそうだが、その予兆めいた伏線も張られており、じわじわと面白味が増しているような気がする第11巻である。
【第二十六話】
これまで幾度となく繰り広げられてきた朋美とセルニアの対決構造だが、今回は別の女性が絡んでくることがミソ。どちらも「自分以外の女のために協力するなんて」と憤慨しているので、やけに応酬の切れ味が鋭く、また秋晴に対する態度もやや冷たかったりする。朋美の焦る姿が見られる新味がある。
【第二十七話】
四季鏡(姉)と理事長&深閑という珍しい組み合わせ。お姉さん方に囲まれてお色気成分がいつになく高い(一部を除く)。ここでも秋晴の予想を覆す反応があったり、女性陣が秋晴に群がる意外な、でも真っ当な理由を聞かされたり、一見おちゃらけているようで実はこっそり頑張っている姿を目の当たりにしたりしている。
【第二十八話】
久々に登場のアイシェだが、実際は侍女ヘディエの話かも。もしや増え過ぎた女性陣を間引くのか?と思わせる展開だが、オチが良くも悪くも本シリーズらしい。女性陣に対する気持ちを秋晴自身が省みる契機にもなっており、思えば本巻のエピソードがほぼ全て次巻への布石になっているようにも感じられる。