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5つ星のうち 5.0
三位一体の素晴らしい出来, 2007/3/24
レビュー対象商品: るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 追憶編 ~特別版~ [DVD] (DVD)
追憶編に関しては、本編のやや「お気楽」な雰囲気は一切無く、ストイックなまでに 真剣に人切り抜刀齋時代の剣心を描いている。 まず、ストーリーは実際の維新前夜の歴史的エピソードを絡ませながら、本編の京都編 の追憶シーンもうまく活用しながら、強い強いと言われながら本当の人切り抜刀齋の すごみと、剣心自信の心の葛藤、さらには巴との生活が一つの脚本の中にきちんと収まって いる。 そしてその見事な脚本をまたクオリティの高い画に昇華させているアニメーターがまた 凄い。特に、人切り抜刀齋の太刀さばき、殺陣のシーンのクオリティは秀逸。また、 剣心と巴が過ごした大津の山々や京都の街並みの美しさは秀逸!。 そして、その脚本と画を支えた岩崎琢のBGMがまた素晴らしい。ストーリーにここまで マッチした音楽構成も珍しいのではないかと思える秀作。音楽だけ聴いてもまた良い。 この三位一体が追憶編の魅力ではないだろうか。特にラストシーンで木にもたれる剣心 を巴がそっと抱えるシーンはアニメ至上屈指の出来では無いかと個人的には思っている。 本当は本編を見る前に、まずこの追憶編を見てから入った方が絶対に良い。 何はともあれこの追憶編の魅力にどっぷり浸かって欲しい、そう思わせる逸品だ。 なお、特別編は追加になっているカットなどがあるが、個人的には無くても良いのでは、 と思う部分があり、やや蛇足感は否めない。でも良い出来ですけどね(^^)。
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5つ星のうち 5.0
情緒と血と悲哀のお話, 2006/9/13
レビュー対象商品: るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 追憶編 ~特別版~ [DVD] (DVD)
今見ても素晴らしいです。 とにかく仕事という面でレベルがすごく高い。剣心の過去編なのですが、原作よりも描写がリアルかつシリアスです。しかしこの選択がとても正解で人斬りの重み、人一人簡単に流すことの出来る時代の流れの重みがこれでもかというくらい伝わってきます。それに「静」と「動」の使い分けがとても絶妙で、言葉語ることなく心情を語る術が効果的です。 情報過多の昨今のアニメよりも人物の想いを感じることの出来る作品だと思います。 剣心があの笑顔を得るまでに傷ついた心はとても痛々しく、そして純粋そのものです。この作品を見れば、他の仲間が浮かべる笑顔と彼の笑顔が少し違って見えるはず。時代という形無きもののために命を捧げた人々の姿をぜひ追ってください。 最近アニメの一部分が何かと大げさに取り上げられ、アニメと口にすれば色眼鏡でみられがちな世の中ですが、こういうクオリティや芸術性を体現できる作品がなくなることだけは避けて欲しい。アニメが今後決して世界で簡単に金を得る手段としてではなく、質そのものを誇れるサブカルチャーであって欲しいものです。
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5つ星のうち 5.0
「もののあはれ」の美学, 2009/9/30
レビュー対象商品: るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 追憶編 ~特別版~ [DVD] (DVD)
子供の頃に見ていたTVアニメ版と比べると、作画も構成も脚本も音楽も洗練されて 落ち着いた雰囲気にシフトチェンジしているOVA版。 物語の舞台は幕末、京都。 「もののあはれ」な美しさ。切なる生き様は、美しい。 日本独特の美意識、価値観、信念、心。 厳選された少ない台詞とカット割りのなかに滲み出ているそれらは、 ぼーっとしていれば見逃してしまうような緻密な描写が間接的に施されて 分かりやすいエンターティメント性よりも詩的印象や芸術性を高めている。 音楽も絶妙。 比古と抜刀斎が佇む赤い夕闇のオープニング、 巴と抜刀斎が出逢う雨のシーン。 赤い華を踏み剣を操る人斬りと独楽を回す子供とのギャップ。 桂の決意と後悔、高杉の雅楽、笑わない女の葛藤。 女の葛藤を知らぬまま純粋な心をひらいていく少年の無惨な運命。 十字傷と雪と血と涙。 少年の身体を包む肩掛けと愛憎の鞘。 作中全ての息づかいが恐ろしくも美しい。 それらを目にした私たちにもたらされるのは 善も悪も、是も非もない、 ああ、と心の底から沸き上がる、何ともし難い感情。 まさに「もののあはれ」そのものであるように思う。 妥協することもしないことも、 受け入れることも受け入れないことも、 許すことも許さないことも、 全ての根源は愛と業。 ハリウッドにありがちな「勧善懲悪」とは真逆の世界観ではないだろうか。 本作品は、おそらく客観的に観るべき種類のものではない。また、客観的に是非を見定めることはできない。 誰かが決めた法律はあっても、本当は何が正しいかなんて誰も答えられない。 描かれているのは、それぞれの正義、それぞれの想いが存在するからこそ それぞれの数奇な人生は紡がれ続け、世界は動き続けるのだという本質ではなかったか。 アニメだと敬遠せず、日本人だからこその「もののあはれ」を感じ取ってもらいたい作品。
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