街中の奇妙な石屋、「るべど」を舞台に少女店主御影硝子を狂言回しにした一話完結式のちょっと不思議な味の連作短編です。
虚実入り混じった様々な奇石を手に入れた人間達のちょっとホロリとさせる良い話から心の闇を描いたちょっと怖い話まで、頁数に見合わない労力とアイデアを盛り込んだ実に面白い漫画です。
この巻も190頁に12話、短い作品は8頁、長くても20頁の作品が収められて居ます。
律義な絵は青年誌連載ながら色濃く少年誌風味を感じさせ、主人公、硝子のキャラクターが漫画的に強く固定されており(店番も石を仕入れに厳しい自然の土地に行く時も頑なに同じ髪型、眼鏡、セーラー服で通し、そのまま水にも潜る)、実はこの作者さんは人物を描くより石や自然の方が得意なのではないかと感じさせる珍しい作風です。
絵の可愛らしさで緩和されてはおりますが、ホロリとさせる話より、諸星大二郎さん風の伝奇的な薫りがする話の方が私は好きですが、上品で老若男女にお薦め出来る作品です。
ユーモラスな話では「時石(じせき)」に登場する自称宇宙人少年が可愛らしく、再登場が待ち遠しいです。
直ぐにTVドラマ化、アニメ化されても不思議が無い出来ですが、やや寡作なのが気懸りです。
諸星大二郎さんの「栞と紙魚子」シリーズや笠辺哲さんの「ももきや」等がお好きな方ならお気に召すと思います。
お薦めです