元々、藤谷さんの作品はパロディ同人誌が大好きで、そのままオリジナルを
買い始めたのですが、彼女は他作品と比較してもこのような爽やかで優しい
ボーイズラブ路線の描写が、シリアスよりもずっと得意なのではないかと思います。
1巻から読まないとキャラクターの感情移入が出来ないので、ぜひ未読の方
にはそちらからお勧め。
相変わらず「不良乙女攻め」なるったと、「外見可愛いんだけど実はリアリスト受」
なこだまが、さらりとした青春恋愛を淡く、時に切なく展開しています。
前巻ではるったの家族関係が実にアクが強く描かれていたのに対照的な、ほのぼのして
かつちょっと謎めいた不思議なこだまの両親が登場。
恋愛模様よりも家族を語ることによって、二人の家庭環境のギャップと、心模様を
表現している手法が実に上手。
クセの強い後輩の登場やら体育祭やらまさに「青春BL」そのもの。
刺激の強いドラマを求める読者には不向きながら、癒されたい方には良薬の一冊。
「もうちょっとだけ続きます」とのことですが、現在CIELだけでなく漫画アニメ界
全体に、このように心にほんわか響くストーリーの物語が希少な為、ワンパターンに
なったとしても続けて読みたいと願わせてくれるストーリーです。
シンプルで基本的な学園BLでも、退屈せずに読めるのはキャラクターに
嫌みが無いこと、お話がツボること、丁寧な視線で細やかに描く力があれば
読者に期待させてくれる作品が紡るのだとさり気なく教えてくれるシリーズ。