ルックス,成績,喧嘩すべてにおいてかなうものがなく,クラスにおいても人気者というより単に頂点の存在として認識されている主人公。それに対して,同性である女性から,「ものすごく憎たらしいけどものすごくかわいい」と評されるヒロインのラブコメです。
主人公やヒロインに感情移入させるのがこの手の物語の基本だと思うのですが,この作品は,あくまで自分とは違うどこかの誰かに起こった出来事として読むしかありません。ラブコメの普通を期待すると見事に裏切られますが,読者に対して挑戦的な作品だと思います。その,ほかとはまるで違う作風(どこかで同じ意見を見ましたが,感情移入ではなく,自分と違う誰かの物語を読んでいるという感覚が奥浩哉さんの作品に似ています)が,何度読んでも飽きない味になっていると思います。
作者には,こういうアンチスタンダードな味わいを今後も期待したいです。