この巻は、完全に九竜が主役になってしまってる、と言っても過言ではない気がします。これまでもずっと色々な伏線は張られてて、九竜の謎(正体)についてみんな注目してた訳ですが・・・。巻の後半、羅雪20歳の誕生日、つまり「運命の日」の決戦を前に、ついに彼の秘密が明かされます。
でも、あまりに残酷な事実・・・。予想はしていても、読んでいて心が打ちのめされました。あまりに九竜が可哀想で、悲しくて・・・思わず涙してしまいました。ともに数年間、九竜と「秘密」を共有してきた「所長」の苦悩に満ちた表情に、さらに悲しさが募ります。
話は前後して巻の前半、自分の身体の異変に気づいて寝込んだ羅雪を心配し、夜行、そして九竜がそれぞれ別に彼女の部屋を訪ねますが、そこで九竜にある「変化」が・・・。これも、九竜のせいではないのに・・・と思えば思うほど、正気に戻った時の彼の「呆然自失」の表情が哀れで切なかったです。今までは、どんなに暗く重いシーンの後でも、必ず笑える部分があってホッとしたものですが、この出来事以降、話は「暗さ」と「重苦しさ」を伴ったまま「最終決戦」へとなだれ込みます。(第1巻の頃は想像もできなかったような重苦しさ)
ただ、個人的な感想ですが、九竜はやはり「心から」羅雪を愛していた(いる)と私は信じます。
最後はどんなエンディングが待っているのか? 次の「別花」でいよいよ最終回が掲載されますが・・・。できるなら登場人物全員に、幸せなラストシーンをと望みます。