有名な化学の基礎レベル問題集です。
化学はとにかく自分で手を動かして問題を解くことで理解が深まることが多いので、
学校の授業や
早わかり化学などの基本解説書と平行して使用することを推奨します。
内容は、1〜17章が化学I、18〜24章が化学II分野となっており、さらにそれぞれが理論、有機、無機に分かれています。
基本を理解するための問題が195題、加えて実際の入試問題から一部抜粋してきた例題が99題あります。
基本レベルの問題集ですが、例題の出典には国立大や難関私大の問題もちらほら見受けられます。逆に、難関大でもこの程度のレベルの問題が出題されていると考えれば少しやる気も湧いてくるのではないでしょうか。
ただよく言われているように、解説が貧弱です。私自身独学で進めていた際、最初の頃は理論分野の一つの章を終えるのに3〜4時間かかったこともありました(どの章もスラスラ解ければ大抵一時間程度で済む分量です)。
今思えば最初にあれだけ自分で悩んだおかげで化学は得意になったと思うのですが、やはり出来る限り周りに助けを求めるべきです。そして計算式の意味等はどんどん解説に書き加えていきましょう。そうすることで復習の際の効率がよくなります。
まず周期表を4周期まで語呂(ネット上にいくらでもあります)を用いて暗記した上で、この本の5章までを繰り返し解いてください。物質量(モル)、モル濃度などの概念がしっかり理解できていないと、その後の事項には全くついていくことができなくなります。
(算数が苦手でかければいいのか、割ればいいのかがイマイチ分からない場合、比を用いて考えると分かりやすいです。
例 1gのAl(式量27)の物質量
1g : X mol = 27g : 1 mol 後は内側と外側をそれぞれ掛け合わせてXについて解けば良い。)
その次の壁は酸と塩基、酸化還元あたりになると思いますが、これらは有機、無機に取り組む上での土台となるので特に重点的にやりましょう。
解説が雑なのにも関わらずこの本が支持を集めているのは、そもそも化学は基礎レベルが重要なのにも関わらずこのレベルの良い問題集がない(対して標準レベル以上のものは、
重問、
理系標準問題集、実力をつける化学など選り取り見取りです)ということもありますが、何と言ってもこの本の問題の選定が素晴らしい、という点に尽きます。
特に理論分野なのですが、ある程度勉強が進んでから本書を見返してみると、本当に出題の基本パターンがほとんど網羅されていることに気づきます。
有機や無機に関してもとりあえず覚えておきたい基本事項がコンパクトにまとまっています。クロム酸イオンや硫酸の製法(接触法)などの項目は抜けていますが、それは標準レベル以降で補完すればいいことです。
この後は、上に挙げた様な標準レベルの問題集を一冊こなせば東大でも単科医でも足を引っ張らない程度の点数は確保できます。独学者であれば実力をつける化学が使いやすいと思います、少々高いのですが…。
本書の対抗馬としては、
新標準演習が有力でしょうか。確かに解説は良いのですが、分量がちょっと多すぎるかなという印象です。個人的には一冊をやり遂げたというのが勉強の一つのモチベーションになると思うので、最初から時間のかかる分厚い問題集に取り組むのはあまりオススメできません。もちろん一冊を辛抱強く使い続けることが出来る人はこちらを検討してみてもいいでしょう。
それにしても、河合出版さん、値段は上がってもいいので、本書の版を大きくして、問題はそのままに詳しい解説をつけて出版していただけないでしょうか。そうすれば非の打ち所のない良著になるのですが…