KREVAは成功者である。B-BOY PARKのバトルで三連続優勝という偉業に加えて、グループでもソロでも常に売れ続けてきた。前作のアルバムでは単独で武道館公演を成功させた。彼はトラックメイカーとしても、HIPHOPアーティストとしても極めて高いレベルを保ち、同時に商業的にも成功している。
ただ、それと同時に常にDISがあった事も事実である。リスナーからは売れているから、テレビに出ているからという内容以前の理由で、ラッパーからは売れているメジャー・ラッパー代表として、常に攻撃の対象にされ続けていた。正に「勝者の孤独」というべき状況だった。
このアルバムと現在のKREVAの状況が、その回答となっていると自分には思えた。常にシーンを引っ張って、批判を正面から受けていた男は、DISに対して作品で反論した。常に高いクオリティを誇るトラックは勿論、前作で少し薄味だったリリックも今作において進化を遂げている。聴けば分かるだろうが、非常に密度の濃い、KREVAらしさに溢れたアルバムだ。ハード・ポップなど無関係に、自分のやりたい音楽をストレートに表現しているのが良い(でも正直、タイトルはどうかと…笑)。
同時に状況も変わった。以前より低レベルな批判は影を潜め、アンダーグラウンドでも関西・関東を問わずリスペクトを表明する者が増えてきた(DISに関しては特にダースレイダー氏のBLOGで八月八日において卓見が示されている)。対して、KREVAを無目的に批判していた奴の何人が現役で結果を出しているだろうか?この作品が、KREVAの出した結果だろう。答えは出ている。KREVAは以前のファン・マニアに媚びずに、自分なりの音楽・HIPHOPを自分で創り、同時にそれが最も売れているHIPHOPとなり、結果自らの状況を変えた。KREVAは再び勝利したのだろう。