うまい。
嫌んなるぐらいに(笑)。
「スコーレNo.4」は(読む少女漫画)として最高に良く出来た作品でしたが7編の連作からなる本書も抜群のリーダビリティで読了するのが惜しくて、正直辛かったです。
著名なバイオリニストを母に持つ御木元 玲が音楽学校受験に失敗して進んだ新設の女子高。
音楽から遠ざかり、学校生活にも無気力な彼女の日々が校内の合唱イベントで指揮を任された事から少しづつ変わり始める・・・。
という物語は正直、余りピンと来ないのだが、実は上のストーリーそのものは約30P弱の第一話であっさりケリがついてしまうのだ。
お話はそこから玲の5人クラスメートに視点が切り替わるのですがそこでは実に鮮やかに
「脇役」である玲のクラスメートたちの物語が紡がれております。
描かれるそれぞれの事情、苦悩そして思いには意外な展開もあったりするのですが(なんと「シックスセンス」もあり)基本は奇をてらうことなく直球勝負。
それでいてステレオタイプに陥らないのは人物造形の確かさに加えて「言葉の美しさ」ですね。
「スコーレ」でもそうでしたが美しく/心揺さぶられる言葉があちこちに散りばめられていて読んでいて何度も胸が熱くなりました。
この中間の5編はあくまで玲は脇役に過ぎないのだが、それぞれの少女が玲の元でコーラスに再び挑むその心情と
彼女たちの目から見た玲の姿を合わせて描くことで読み手にじわじわと玲とクラスメートたちと関係の変化が伝わってくるこの構成の巧さ。
結果として再び玲の視点で描かれる最終話での彼女の心情は第一話とは大きく変化(成長)しているのだがそこに不自然なところは微塵もありません。
面白いのはこれが女子視点の物語であるからなのか、いわゆる「友情臭」が希薄なことですね。
人は誰も他者のことなど分かりっこない。という前提のお話は良い意味でベタベタしたところがない。
ですが「だからこそ人と繋がることでしか得られないものがある」本書はその部分をきっちりと描いております。
んでもってラストに至ってタイトルの「よろこびの歌」の意味がドーンと生きてくるわけです。
いやはや、面白かった!おススメだぁ〜。