よく生きるためのフロムの見解が述べられていますが、現代社会において実践する事は困難な内容です。例えばフロムは日常会話を取るに足らないお喋りとして禁じています。そして特に自己の「ナルシズム」と「所有」を改めることを強く勧めています。ナルシズムの克服や所有の制御(フロムは所有ではなく活動に重きを置いています)は、現代の経済社会にあっては実践することは非常に難しいと感じました。しかし、それらがより良く生きるために重要な事であることを本書は説得力を持って説明しています。本書を読むと、人間がよりよく生きることと現代の経済社会は断絶してしまっていると感じます。読者は本書を読んだ後、成す術が無いことを感じてしまうのではないでしょうか?