心臓移植の必要があるといわれたなら、以前なら間違いなく絶望したに違いない。この本を読んだ今では、前向きな気持ちで現実を見つめることができる。米国において、死因第一位は心臓疾患であり、日本でも増加している。ただし、心臓移植が必要な重症患者でも願いがかなうのはごく一部の人だ。人工心臓が必要とされる理由である。1957年の人工心臓開発スタートから現在までには日本人が極めて大きな貢献をしてきた。これを、現場主義の東嶋さんらしくひとつずつていねいに取材して文章にしている。
この本を読んでいて、やや古いが内橋克人さんの「匠の時代」やNHKのプロジェクトXシリーズを思い出した。心臓に病気がある人や医療関係者だけでなく、「日本人もやるもんだ」と再認識したい人にもおすすめしたい。