タイトルのままである。徳川家が関係した城について、紹介してある。中世から戦国にかけてさまざま経緯を経て磨きがかかった築城技術の最終地点が天下太平の時代へと移る徳川の城であるといえるから、着眼点としてはよい。コンパクトなサイズながら、写真が豊富であり、わかりやすい。
最初は、徳川家の城の特徴について解説がある。特に、防御力ということでは空堀の方がよいのだが、生活上のさまざまな利便があることから水堀にしているという説明は、ちょっと興味深かった。また、徳川の中でも特に城つくりの名人と呼ばれて多くの築城にかかわった藤堂高虎については、特別に特集ページを用意して解説が行われている。
中盤以降は、大きく3つの分類に分けて、全国にある徳川に関連する城についての解説を行っている。その中には元々徳川の城であったわけではない姫路城なども含まれているから、まあ、結局、有名な城のかなり多くが本書に入ってきている。大阪城にしても、豊臣のイメージが強い城ではあるけれども、良く考えてみると徳川家に統治されていた時代の方がはるかに長かった訳で、徳川の城という視点での説明は新鮮であった。また、水戸城が貧弱な理由とか、ところどころ興味深い説明があった。