私は薬科大学に通う大学生で、基礎演習(少人数形式のゼミ)で生物学的な死や倫理的、文化系的な側面から死を考えるというところに所属していました。
その中で読む機会を得たのがこの本です。
死は長年タブーとして触れることをさけられてきました。
その中で、著者であるデーケン氏は死生学ということに取組んでこられ、近年は死に対して単なるネガティブなイメージが減ってきたそうです。
著者が死について深く考えるようになったのは幼い頃から死を意識せざるを得ない状況にあったということから始まります。
キリスト教の牧師をつとめ大学で教鞭をとるという長いプロセスを経て死というものに向き合ってきた著者の集大成として出版されました。
著者はキリスト教の牧師ではあるものの、原理主義とは異なり科学に対しても理解を持つ柔軟な姿勢を持ち、
科学と宗教の共存できる関係で受け入れているように思われたので非常に読みやすかったです。
死や生について1人で考えるのには限界があります。
また、友人と議論をするにしても重い話題であるので周りにきちんと話せる人が居ないケースもあるでしょう。
そういう人にとって、このような豊富な経験と論理を持った著者がゆっくりと優しく語りかけてくれるこの本はきっと貴重な1冊になるはずです。