薄く広くという『森林本』のような学参ではなく、コアミーニングとか、フィーリングとかイメージとかいう「今風」の文法の扱いとも大きく異なる。「イメージ」や「フィーリング」は確かに「前置詞の意味論」とか「基本動詞の原義」などには有効ではあるものの、旧来型の学校英語をひと通り教わってきた人に対して効果が高いアプローチでもある。この澤井氏の本は、そういった「今風」の流れとは対極にあって、初学者がどのように、「局所戦を、ことごとくものにしていく中で、自信を深めていけばいいのか」を説くという本である。日本語との比較、和訳での日本語の使い方を考えたときに初めて表面化する問題点など、よく考えられた記述に好感度もアップ。著者は元予備校講師ということなのだが、語学的基盤がしっかりしている。はなから網羅性を捨てているのだろう、という積もりでこちらも読んでいるので、「あれがない、これがない」などという不満を思うこと無く、教室での指導の際に参考にさせてもらっている。まだ、続刊があるようなので、期待して気長に待とうと思います。内容そのものには不満はありませんが、続刊を全部揃えるとしたら,総額は…、という点を考えると、高校生が購入する際に躊躇するかな、と思ったので星4つです。(巷には、お粗末な内容で、増殖したかのように続刊が出るものも多々あるので、それに比べれば,本書はどれほど良心的なことか…。)
まずは、教師が英文法の学び直しをするのに使ってみるのが一番かと。