シリーズ全体の印象は、シリーズが一段落した5作目「たったひとつじゃない冴えたやりかた」のところに書かせて頂きましたが、シリーズ3作目であるこの作品は、1、2作目に比べ、構成や描写がかなり上達していて、良い。かなり良い。事件が起こっても実はそれ程派手な絵づらではないんですね。でも、キャラクターの心は躍動し、揺らめき、そして前進している。そこが一番の魅力かと思います。SF小説で定番な、時間テーマのアイディアのこなし方も、ある作品から猫という存在を借りつつキャラクターの成長のためのドラマとして上手くこなしているし、何より「ぱんつはいてない」少女の描写が上手い。彼女にとって「ぱんつ」とは何か? ぱんつを他者に投げつけるとはどんな行動なのか? ぱんつをはいてない不安って? そしてぱんつはいてない彼女はそれを最終的に受け止めたか? ぱんつがこんなふうに作用する作品は、これが最初で最後でしょう。