前作『新・片づけ術 断捨離』が基本的な考えと実践編だとすると、これは体験者を例に、さらに突っ込んで断捨離について書かれたもの。一見分厚いが、ブログ調の語りで細かく章立てしてあるので、たちまち読めるし、なにしろ安い!
まずは「なにをそんなに収納するのだろう?」との問題提起にドキリ。情報に惑わされ、あるいは忙しすぎて「家も人も、モノも…… 疲れきって」おり、自分を見失いつつあるのではという指摘は、これまでの片づけ本にはなかったものだ。
「今あるモノが、未来の不安を象徴している」とか、「所有という使い方」(持っているだけで満足)をしていないか、との問いにははっとさせられたし、「家にいること」「家にいる自分」を好きになろう、との呼びかけも新鮮に響く。そこには、こんなモノいらない、と乱暴にモノを捨てるのではなく、モノと仲良くなろうとの考えがあり、ほっとさせられる。
なによりスゴイと感じたのは、断捨離をきわめると、親からもらったモノや、モノをためこむ親との葛藤を通じて、親子関係や自分の子ども時代を見つめ直す「人生の片づけにシフト」していく、という点だ。後半の、不登校の少年の物語や体験者レポートも、実際的で感動的だった。
シンプルライフでも節約の勧めでもなく、自分が「ご機嫌さん」でいられるように「モノに与えてしまった空間と時間、エネルギー」を取り戻そうという提案は、モノが多すぎて落ちつかないと誰もが感じているこの時代、とても大切なことのように思う。