例えば、学校の成績や態度が悪いといさめる大人vs責任を大人に転嫁して反抗する子ども。
例えば、集団になって弱いオトナをいじめて喜ぶ子ども。
例えば、ちょっとませた正義感からオトナの言動や態度の矛盾をついて反抗する子ども。
こういうアツレキは古今東西を問わず起こるものだろうが、普通は子どもたちもだんだんオトナの世界に順応していくものだ。ところが、文革期の中国では子どもの素朴な反抗を政治利用するオトナが現れ、子どもたちが悪のりして、反抗がエスカレートしていくという構造があったらしい。そこで起こる悲喜劇を「紅小兵」という子ども向けの雑誌の図版を豊富に引用しながら生き生きと読み解くのが本書の趣向だ。
しまいには、気の良いアメ売りのおじさんまでが「階級闘争」の敵として社会的悪者に仕立てられていく。
文革期の中国の話ではあるが「教育」の名の下に、子どもを政治的に利用するオトナの陰謀は、そこかしこにあり、気をつけて見れば今の日本にだっていくらでも見つかる。そう思うと、この本を読んで笑ってばかりはいられないと思いませんか?