京都には本当に美しい姿の仏像が沢山奉られています。
本書には、そのような仏像とそれが安置されている寺院を写真で収め、素晴らしい仏様の姿をイラストで丁寧に紹介したガイドブックです。他に類書を見ませんので、その意味においても貴重です。
巻末の資料編に掲載されている仏像の種類は分かりやすい記述ですし、明王、天部の種類についても同様です。
本書で紹介されている仏像を少しご紹介してみたいと思います。
太秦広隆寺の宝冠弥勒菩薩の美しさは格別で、何回拝見してもその得られる感動は変りません。現在は新霊宝殿に奉られていますが、昔は古いお堂にそのまま置かれてあり、直ぐ傍まで近づいて拝見させていただいた時は、あまりの素晴らしさに時の経つのも忘れるくらいでした。イラストでもその美しさは伝わりますし、本書でも書かれていますように実際対面を果たした時に、その感動はまた格別のものがあると思います。
紅葉で有名な永観堂のみかえり阿弥陀も小さなお姿ですが、実に魅力的な表情としぐさを持った仏像だと思います。六波羅蜜寺にある6体の小さな弥陀を口からだしている空也上人立像も実際の像に接したとき、また違った感動を得られることでしょう。極楽浄土を現世に現した宇治の平等院の阿弥陀如来坐像、拝観時期が限られている浄瑠璃寺の吉祥天など、それぞれの美しさは本当に実物の仏様を拝まないと分からないと思っています。それぞれいつお会いしてもその受ける感動は変りません。
心の癒しとして、仏様にお参りする際の貴重な指南書として利用するのもいいですし、京都の観光ガイドの仏像というテーマ別の本としての活用も考えられます。