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ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)
 
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ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫) [文庫]

川上 弘美
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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   公園の芝生で寝ころんで缶ビールを飲んでいると、知らない初老の男性に声をかけられ、あげくの果てに、その男性に「あなたはわたしの妻に似ている」と言われたセイシュンの日の思い出話や、ベタベタのスパゲティナポリタン(略称スパナポ)が突然食べたくなり、町中の喫茶店を探し回るもけっきょく見つけられず、むくんだ足を引きずりながら家に帰った話など、これまでにさまざまな新聞や雑誌に連載されたエッセイ59篇を収録。どのエッセイも、彼女の日常に横たわる時間をやさしく紡ぎ取り、独特のタッチでしたためたものばかりだ。

   エッセイの中には、ヘミングウェイやマルグリット・デュラスをはじめとする作家たちとの出会いのほか、川上文学の礎を築いてきた数々の書物についてのエピソードも数多く盛り込まれており、作家川上弘美の人となりや魅力を十分に感じることのできる内容となっている。

   彼女は1996年に『蛇を踏む』で第115回芥川賞を受賞した後、『溺レる』で伊藤整賞と女流文学賞、『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞を受賞するなど数々の賞を獲得。日本文学のなかでも、筆力は折り紙付きの女流作家である。

   彼女が連載エッセイを書いていて、最後の回になると必ず思うことがあるという。「さみしいから文章を書いているのに、書くことによってますますさみしくなる。難儀です。でも生きているから、生きのびてこられたから、さみしさも感じられるわけです。難儀もまたよろし、ですね」。(石井和人) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

「いままでで一番多く足を踏み入れた店は本屋、次がスーパーマーケット、三番めは居酒屋だと思う。なんだか彩りに欠ける人生ではある」。春夏秋冬、いつでもどこでも本を読む。居酒屋のカウンターで雨蛙と遭遇したかと思えば、ふらりとでかけた川岸で、釣竿の番を頼まれもする。まごまごしつつも発見と喜びにみちた明け暮れを綴る、深呼吸のようにゆったりとしたエッセイ集。

登録情報

  • 文庫: 221ページ
  • 出版社: 新潮社 (2004/11)
  • ISBN-10: 4101292337
  • ISBN-13: 978-4101292335
  • 発売日: 2004/11
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tomyree
形式:単行本
題名が好きです。「さよなら」という言葉を含む名言の一つではないでしょうか?
そうそう、よくさよならをとなえていたのです。今思えば私も。

その表題のエッセイですが、私は現代の枕草子だと思いました。ほのぼのとしたリズミカルな文体。何回も声を出して読み、2回は書き写した、そんな文章です。

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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By zapzero
形式:文庫
ひらがな13字のタイトルに惹かれて買いました。身辺雑記でもあり、読書日録でもあり。あたりまえだけど、作家ってやっぱりよく本を読むんですね。小説も、マンガも。ときどき妙にしんみりします。ガルシア・マルケスの短編「大きな翼のある、ひどく年取った男」を読んでの彼女の感想。

「二回読んで、するとやはり私もいつか死ぬのだと、唐突に思った。物語の中でそのようなことが説明されていたわけではない。自分がいつか死ぬということをおりおり思わなかったわけでもない。うすうすとは誰もが思うことである。しかし、いつものうすうすとした思いとは違う、重く迫ってくるような、ああやはりそれは避けられないものなのだというずっしりしたものが、きた。路地で、そこにない海を感じたように、家の中で、まだそこにはない、しかしやがて必ず来る死というものを感じた」(51)。

しんみり。なんだかさびしくなりました。川上さんの文章は、さびしさがうつります。
このレビューは参考になりましたか?
15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
さまざまなところに発表した川上弘美のエッセー59編が掲載されている。あとがきで著者自身も言っているが、まとまりのないエッセー集になってしまうかというとさにあらずで、全編を通じて川上弘美という親しみの持てる女流作家の息づかいが聞こえてくるように著者自身を身近に感じることができる。

この人の感性が中々素晴らしいというか面白い。本が好きで、酒が好きで、ちょっと怠惰で面倒臭がりである。学校を出て直ぐに中学の理科の教諭をやっていたらしい。作家であり主婦であり大柄の女性らしい。両親との関係も、祖母との関係も優等生的ではないけれども、何とも親しみが持てる。両親からみれば良い娘らしい、といった具合で、読んでいる内に、一度会ってみたいような興味ある女性が浮かび上がってくる。

町を歩いていて突然出くわす不思議なことへの好奇心が強いからこそ作家になったのだろうか。

しょうがパンやナポリタンを懐かしんでみたり、居酒屋で見たアマガエルを見つめたり。井の頭公園への遠足の思い出やら、明石の町の思い出やらとエッセーの題材は実に雑多ではあるが、その雑多さは居酒屋でこの作者の話しを聞きながら酒を飲んでいるような気分で全く違和感がない。

文章が軽妙で飾らないが、洒落ているという点においても、中々良いエッセー集を読んだという気になる。

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最近のカスタマーレビュー
天才の楽屋裏
川上弘美の身辺雑記。

とても短いエッセイの寄せ集めであるが、
掌編小説を読むような感覚を味わうことができる。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: まっすん
この人とお友達になれたら、と今更ながら思わされる
ご本人によると「まごまご」したエッセイ集。その、スローというより、まごまご加減が、ことのほか気持ちいい。... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: Dolly the Cat
癒し系
 川上弘美さんの本は、この「ゆっくりとさよならをとなえる」と「なんとなくな日々」のエッセイしか読んだことありません。いずれも癒し系の本です。... 続きを読む
投稿日: 21か月前 投稿者: しんじ
ほっとするのです。
水があう、というか。
土があう、というか。
川上さんのエッセイの、この空気感がすき。
なぜか、ほっとするのです。... 続きを読む
投稿日: 2009/11/29 投稿者: unbalance
大好きな人
大好きな人。川上弘美。友達になりたい人。
小説も好きだけれど、エッセイもまたいい。
作家になるために生まれてきたような人。... 続きを読む
投稿日: 2008/9/6 投稿者: umico
ほのぼのの中のしんみり
川上 弘美さんの小説を初めて読んだとき、その独特のまったりして不思議な魅力に惹きこまれました。... 続きを読む
投稿日: 2007/11/21 投稿者: ポコ
〆がやーっぱ川上。流石。
そう。
この本が百'關謳カとの出会いのきっかけとなってんよ。
彼女の書評を読むと、その本がムショーーに読んでみたくなるから不思議。... 続きを読む
投稿日: 2007/11/20 投稿者: 毬藻マカロン
理系文芸のたのしい余滴
原田宗典氏から「お前は世界の王様か」と言われそうだが、まあ、一介のキューピーが言うことだから、ひとつここはお許しください。... 続きを読む
投稿日: 2007/7/22 投稿者: kewpie
かっこよくて憧れる!
文章が読みやすいのにとっても知的!川上さんの書き方が素敵だなーって思ったところは、普段道を歩いてて、ふと見えたものや耳にしたものから、「あ、これはあの本の~」みた... 続きを読む
投稿日: 2005/2/3 投稿者: しましま
やわらかな・・・
著者独特の、ゆったりとした空間に読んでいると包まれる。
そんな感じでした。
この方のエッセイは初めて読みましたが、小説に比べると、... 続きを読む
投稿日: 2004/12/31
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