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5つ星のうち 5.0
本当の戦場の現実が語られている、あまりに生々しいドキュメント映画, 2008/8/31
レビュー対象商品: ゆきゆきて、神軍 [DVD] (DVD)
内容は先の大戦にてパプアニューギニアで作戦行動を行っていた独立工兵36連隊が、終戦がわかっていながら何故2名の兵を銃殺したのか、その疑惑を解くべく奥崎謙三が(彼は同連隊に属していたが、捕虜になったため、その後の顛末を知らない故)その疑惑の真実を知っているとおぼしき7名をアポなしで尋ねていく、また普段の活動も記したドキュメント映画です。
これが製作された当時には戦後35年ほどたっています。故に連隊の元兵士達はあまりにもおぞましい戦場の現実を心の奥底にしまい、二度と話したくない姿勢を貫きます。それに対し、真実を知りたい奥崎と処刑された遺族が詰め寄り、そして少しずつですが、その地獄絵図を語り始めます。
これを見ると、幾多数多ある戦争映画がいかに作られた世界で美談として語り継ごうとしているのか、しかもアイドルなんかが主演してるものなぞ反吐が出るというものです。
これを見てどうこう言うのは簡単ですが、私には奥崎謙三や元・兵士達の行動を批評する資格は持ち合わせていません。
ただいえるのは、戦場の現実はドラマのようなものではないということ、戦争は絶対やったらいかんということです。戦争が無ければ、奥崎も元・兵士たちも普通の人たちだったはずなのですから・・
それともう1つ思ったのが、奥崎のおくさんは凄いなと思いました。近所にこんな人いたら絶対嫌です・・
あと付録に製作ノート、原監督の苦労話集があります。奥崎に振り回されていた様がありありと書かれていて、大変な撮影だったことが伺えます。
※この映画には本当に人を殴ったり蹴ったりするシーンやショッキングな会話も多々あります。刺激に弱い人、興味本位で見る人にはおすすめできません。
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5つ星のうち 4.0
戦場という生死の境遇の地で行なわれた犯罪責任, 2010/3/29
レビュー対象商品: ゆきゆきて、神軍 [DVD] (DVD)
を現代になって直、追及するドキュメンタリー映画。再現フィルムなどまったくなく当時の生き残った人達の回想談がほとんどであるが、話の内容は恐ろしく驚愕させられドキュメンタリーならではの迫力があります。この追及人、奥崎謙三のやってる事は偉いと思いますが当時の戦中での記憶を忘れようと、いや、むしろ消し去りたいと願う元日本兵達のその体験談を強引にほじくり返す様は正直観ていて気持ちのいいものでもなかった。だからと言って無念に殺害された兵士らやその家族の心中を思うと、となると大変複雑です。「シンドラーのリスト」でも言っていたが戦争とは個々の人間のもつ悪の部分や残忍性が表面化してしまうのも事実であると思い、戦争がない現代のような平和な時代であった場合処刑を命じた上官もそういった理不尽な命令を下す事はないし、悪は表面化する事はなかったのでは?と思います。「悪は悪だろうがね」←(「シンドラーのリスト」引用)
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5つ星のうち 5.0
戦争と犯罪をめぐる問題作・・・一見の価値はある。, 2011/3/12
レビュー対象商品: ゆきゆきて、神軍 [DVD] (DVD)
戦争の悲惨さや、異常な状況下での人間の狂気を扱った映画や文学、ドキュメンタリーの類はこれまで数多く存在してきた。しかし、この「作品」はそのいずれとも異なるベクトルを放っている。
奥崎氏の怒りの矛先が向かったのは、「戦時中」という異常な状況に便乗して、「個人の意思として」殺人やリンチを犯しておきながら、戦後はのうのうと生きながらえている「市井の隠れ戦犯たち」である。彼ら戦犯たちをネチネチ追い詰めていく奥崎の姿は、一見「遠山の金さん」みたいで、痛快にも見える。だがしかし、私には正直言って観ているのが辛かった。
「全て戦争が悪いんだ、戦争さえなければ・・・」という総論的な能書は、被害者や遺族の皆さんには、何の気休めにもならないのは、私にもわかる。なによりも憎むべき、糾弾されるべきは、敵国や軍人、政治家等の一族郎党ではなく、実際に手を下した、特定個人の誰かでなければならないのだ。だが奥崎の「聖戦」とも言うべき豪快な直接行動は、私にはアナーキーで独善的、つまるところは個人的な鬱憤晴らしとしか思えない。
もちろん、こういう恨みを根源とした生き方を私は決して否定するつもりはない。ましてや「今さら戦争中のことなんて言ってもしょうがない」とも思わない。だがこうした行動の取り方から得られるモノって一体何なのか、それが気になるだけだ。常軌を逸した行動に出る、奥崎氏を主人公にした「お笑い映画」とみる分には、面白いシャシンだが、「庶民の犯罪」について考えさせられる、なかなかの作品である。大勢に順ずることなく個人として、信念をもって生きることの大切さを学んだ。