梶尾真治が『エマノン』というキャラクターを生み出したのは1979年のことだ。
地球が誕生した時からの生命の記憶のすべてを持っている少女・エマノン、
時には彼女が主人公として、時には狂言役として、エマノンは地球の、生命の声に従いながら、放浪し続ける。
・・とまあこんなだいそれた設定はやっぱり80年代のもので、今ではちょっとあれだよなぁというレトロな感じは隠せない。
そのエマノンの哀しみとかそんなモノを了解して共有した上で、最新作に当たるのならうるうるなんだけど、
この作品で初めてエマノンに出会う人にはちょっと話の骨格の割にはこじんまりとまとめ過ぎでサラッと流れて終わりってことにもなりかねない。
だから、これはちょっと邪道な入門だけど、鶴田謙二先生のcomic版『おもいでエマノン』から入って、この本にシフトするのがよろしいかもよ。
まあcomic版から入ると鶴田エマノンのイメージが固定しちゃうというのが難点だけど、エーイ、いいじゃん、今からのヒトはこれで行きましょう!
だって梶尾先生のオリジナル第1作はすでに入手困難なんだから、仕方ない。
で、9年ぶりの『エマノン』は、以下の4つの短編からなる。
『おもいでレガシー』、『ぬばたまガーディアン』、『いにしえウィアム』、『あさやけエクソダス』
最後の短編のラストの切なさなんてさりげなくて、泣ける。
そして、梶尾真治先生同様、
あなたはあなたのエマノンに何処かの街角ですれ違っていることにきっと気付かされるだろう。