三池先生の既刊『その唇をひらけ』に掲載されている、8ページの短編「春よ、こい。」のカップル・旭とカンナの日々が、一冊の本になって凱旋刊行。
個人的に「この二人、他に話があるなら是非読みたい」と思ってたので、八百万の中にはそんな望みを叶えて下さるBLマンガの神様が在わしましたのね、とガッツポーズ。(そんな時だけ信心か)
経済弱者をメシ種にする金貸し屋の取立・旭(玄人さんにモテモテ)と、口元ボクロがあだっぽいフーゾク店員・カンナ(物語開始と共に失業)。
中学のクラスメイト同士だった二人は十数年振りに、はからずも再会します。
達観…というよりは諦観、年不相応に老成した感のある旭と、名も実も持たない身軽を貫くカンナ。
旭による渋々の宿提供だった筈が、互いに離れがたくなり、共に暮らすようになります。
恨み蔑みなんぼなシゴトについた孤独同士ですが、今に至る過去を互いに問うたり、語ったりはしません。
でもお互いに感化され、旭とカンナは確実に変化していきます。
雰囲気や展開が好み、というのも理由ですが、読み終わった後は益々の旭×カンナ贔屓に。
要所要所でごまかさず、カンナに愛を示す旭は、男らしくて実にカッコ良い。
更に、手酷く自分を捨てた元オトコに冷静に対峙したり、パンイチにパーカー姿で旭狙いのオネエさんを牽制、あまつさえ表紙カバーに堂々登場せしめたカンナも、実はかなり漢!(笑)らしいかもしれません。