なんと言ってよいのか、角田緑さんということでちょっと期待していた分、あまり面白くありませんでした。
「アイはどこいった?」などが好きだった方には物足りなさと幼稚さが感じられるかと思います。
昭和の初め、華族でもトップの家柄である操には今は日本にいない幼馴染で大切な相手、常盤がいて、その彼がついに日本に帰ってくる……ところから話は始まるのですが、なんか狭い世界のなかでちまちまと恋愛やお家騒動や友人の裏切りなどが進行している感じで、カテゴリー的にはコミカルな学園モノ。
思い出の常盤は昔とすっかり様相も性格も変わってしまっていたという設定で始まるものの、あまりそのこと自体は重要でもなさそうで、あれっ?という間に常盤は操にキスをしているという曖昧展開。
昭和初期の貴族の身分違いの恋愛を描きたかったのか、学園モノでの普通の恋愛を描きたかったのか、主従関係の恋愛を描きたかったのかがはっきりしなくて、もやもやしたまま読み終えてしまいました。
しかも大してこの恋愛が苦難でもないというのも、だったら昭和初期に設定しなくてもいいんじゃないか?などと無粋な突っ込みを誘ってしまうわけで……
絵は可愛いですし、お坊ちゃんの恋愛ってことだけに焦点を当てればけっして悪いわけではないのですが、それにはちょっと内容が浅かった気がしました。