物語としては、愛する孫のために躊躇しながらも、考えてもみなかった仕事を始め、治療資金を稼ぎ出すという「苦労話」の形態をとってはいますが、本作の面白さは、そんなストーリーやプロットを越えていますね。おばあちゃんが主人公でありながら、余計な感傷は排されていて、むしろ雰囲気はハードボイルド。そこがユニークで、面白い。
いろんな男のイク時の情況を、真上からのショットで見せますが、これが笑える。男なら、もし自分がされたならどういうリアクションをするだろうかと想像し、女性なら男の反応のヴァリエーションを興味深く見るのでは。(笑) また、仕事のし過ぎによるテニス肘ならぬぺニス肘というのも笑った。
登場人物の個々の関係がとっても生き生きしています。唐突に手術費用を出した母親への不審を覚えてしまう息子。必死に風俗での仕事を隠そうとするマギー。事実を知った息子の奥さんの共感。郊外の閉鎖的な街の雑貨店での会話、夫が生きていた頃からのつきあいのある隣近所の女たちとのちょっとしたやりとりの中に、掘り下げていけば奥の深いドラマが隠されている。こういったディテールが楽しいし、彼女達の明けすかないセリフとそれに対するマギーの逆襲もある。
他にも、最初にフィンガー・テクニック(?)を指導してくれるルイーザは、暴力をふるう夫を逃れて一人で子供を育てているということが、マギーとの短い話のなかで効果的に描かれます。そして、マギーに客が集まり、ルイーザには客がさっぱりになり、店をクビになってしまったときの彼女の反応とマギーの痛み。
そして、マギーとミキとの関係がとってもいい。最初は割切ってハードなビジネスの関係だが、二人のあいだには大人の愛を予感させる。そんなサラリとしたラストも良かった。