「やり直し教養講座」とあるからレベルは想像できるが、「ネイティブ」だとちょっと違うか?と期待を抱かせるタイトルの書である。中学英語程度で、文法で習った記憶はあるが、丸覚えで意味だけは知っている、使い方やニュアンスの違いは気にしたことがなく、或いは意味の違いまで解らずに使っている、こういう読者には基本の総整理に一読すると良いかもしれない。しかし表現の違いが更に解らなくなり、解ったつもりでもイザ英語で話そうとすると元の木阿弥、と容易に想像が出来る。 通常の文法書のように、第1章の冠詞と名詞から始まり、第7章の語法まで、英文法の全体を網羅されている。内容の誤りは殆どないが、p.30の、from New England を「ニューイングランド州」としているミス1カ所のみ。「ネイティブ云々」とあるが特にそれは感じない。つまり英語をきちんと勉強した人なら、その語法やニュアンスの違いは十分に知っているはずであり、中級以上の学習者ならこの程度は正しく使い分けている内容だろう。そうは言っても細かいニュアンスの違いは重要であり、ネイティブでない日本人として再確認の要ありという個所は少なくない。例えば(1)現在進行形と未来形の使い分け、未来進行形、(2)時制の一致の無視(時制の一致は絶対的ではない)、(3)must、have to、should、need の使い分け、(4)will、be going to、予測と推量、(5)had better、need 、特に前者の使い方は要注意、(6)不定詞と動名詞の使い分け、(7)使役動詞のmake、have、letのニュアンスの違い、(7)丁寧な言い方、失礼な言い方を理解しているか。これらはやはり日本人としては誤って使っているかもしれない。どうせなら奇妙な英語になっていないかの診断は必要だ。永年日本に住んでいても下手な日本語、変な日本語を話す外国人は多い。日本人が話す場合もネイティブが聞けば実に変な英語、ニュアンスの違う英語を誤解して使っているはずだ。