経済が低迷し年収崩壊時代を迎える中で、これまでのような金や出世や名誉などをひたすら求める生き方(見栄をはる生き方)を止め、人間らしく生きようというのが本書の趣旨。
こうした考えが支持される背景には日本がここ数年で金持ち礼賛主義になってきており、それが必ずしも幸せに結びついていないからであろう。
確かにかつては金持ちというだけで尊敬されるといった風潮は極一部の業界などに限られていたと思うが現在では生き様や努力の有無などは二の次で金を持っている人間が称えられたりする傾向が目立ち過ぎる(むしろいかに努力しないで金を得るかという知恵が歓迎されている気がする)。
特に印象に残ったのは「会社」をやめる(第4章)という章。これは賃金格差が欧米比小さい日本のサラリーマン社会の中で、家庭も健康も犠牲にして出世競争というラットレースを止めようということである。
また、「自分探し」や「マニュアル」を止める生き方など、随所に共感できる内容があった。
森永氏はそもそも個人的にはあまり好きなタイプの人間ではないが、本書は一度きりの人生を大事に生きるヒントが満載である良書であった。
1時間程度で読了できるため、がむしゃらに働いている一方で虚しさを感じているサラリーマンには強くお薦めしたい。