「薬でうつは治るのか」の著者の本です。
前著は、「薬はダメ!!!」という論調が強すぎて、
「そうは言っても、とりあえずラクになるにはクスリも必要だし……」
と思ってしまう本でした。
今度も、基本的な論調そのものは変わりません。ただ微妙に柔らかくなっている。
たしかに製薬会社だけが儲かり、医者はあまりに気軽にSSRIを投与する。
これは事実です。けれどもさすがに最近は、「SSRI至上主義」の精神科医はヤブで、
患者によって時には三環系抗うつ薬を投与する医者も増えています。
また、軽い安定剤は、うつ病を「持病」のように抱えている人には
ある部分で「必要悪」ともいえると私は思ってしまう。
もちろん、軽い安定剤とされる「デパス」でさえ、常用すると錠数が増えていきます。
最初は1錠ですっと気持ちが楽になったのが、2錠になり3錠になり……。
たしかにそれは「依存症」かもしれません。
ただどうしてもひっかかるのは、今の世相でもある「自己愛」と依存症を関連づけていること。
サブタイトルにある通り「依存症の時代」というわけで、「自分はこうありたい」という自己愛を維持し続けるため、
人工的に薬に頼るしかなくなっている世相だ……と。
言えてるかも……と思う一方、そんな簡単なものかな……というかすかな反発。
それでも、今のうつ病を、
「自分らしさ」を追い求め続け、自己責任を押しつけられ、疲れ切った姿だ、
と書いた一節は、あくまでうつ病の一つの形態としてだが、個人的には
まさに正鵠を射ているかもしれないと思いました。