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やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA)
 
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やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA) [文庫]

田中 哲弥
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

時は現代、大学生の栗原守は初対面の立秋茜といきなり宿命の恋に落ち、いっぽう過去では、下級武士の吉岡信次郎と幼なじみ・るりとの恋が悲劇的な結末を迎え、さらに未来では、大阪府知事によるお笑いファシズム体制下、レジスタンス組織が決死の知事暗殺計画を遂行しようとしていた―そしてあらゆる因果の中心には、アロハシャツの大男と謎の千両箱の存在があった…5つの物語が時空を超えて絡み合う時間SFの傑作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

田中 哲弥
1963年兵庫県生まれ。関西学院大学卒。1984年、「朝ごはんが食べたい」で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞後、吉本興業の台本作家などを経て、1993年『大久保町の決闘』で長篇デビュー。『大久保町は燃えているか』『さらば愛しき大久保町』と続く3部作で人気を博す。1999年発表の本書『やみなべの陰謀』以降は、アンソロジー“異形コレクション”などへの短篇寄稿を中心に活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 275ページ
  • 出版社: 早川書房 (2006/04)
  • ISBN-10: 4150308454
  • ISBN-13: 978-4150308452
  • 発売日: 2006/04
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 0.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「時間SFの傑作」という説明を見て噴き出した。, 2006/8/3
レビュー対象商品: やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA) (文庫)
確かに「時間SF」で「傑作」かも知れないが、この2つを合わせて使うのはどうだろう、というか、本書の著者田中哲弥もこの表現を見て絶対に噴き出したはず。

そこまでカッチリとした、燦然と輝いていそうな表現は決して当てはまらない。冒頭の数行を読んだだけで「ああ、あの商品説明は読者と作者の両方をおちょくってるんだな」と分かるのだが、しかし嘘をついているわけではないし、かといって誇張でもない。あくまで“おちょくっている”のであって、もしかするとその外見と中身の温度差も、本書の最大の特徴である「関西の笑い」にのっとった「フリ」と「ボケ」なのかも知れない。

要するにこの本は、一見すると(タイトルと表紙が既に怪しいのだが)ドラマチックな娯楽映画の原作にもできるくらいのカッコイイ超大作‥‥ではなくて、基本的にめちゃくちゃ笑える喜劇なのである。

田中哲弥はもともと吉本興業で舞台の脚本を執筆したりしていたので、ノリというか手触りは関西的なお笑いの魅力が詰まっている。だから昨今のお笑いブームを受けて復刊されたのかなという気もする。

その魅力の理由の一つは文体。口で話すのではなく文章で笑わせることに関して、田中哲弥の右に出る者はあんまりいないんじゃないかと思う。並々ならぬセンスと知性を必要とするこれらの文章は、ほとんど馬鹿馬鹿しいこと(ナンセンス、ではなく馬鹿)の表現ばかりに費やされているのだが、その筆致がひとたび人間的な魅力の表現に向けられると、これが不思議なくらい胸を打つのである。

本当に可笑しいとは、本当にカッコイイとは何であるか。この「時間SF」の「傑作」には、現代の作家、読者が忘れかけている“本物の”何かがある。

深く考えず、お笑い芸人のコントでも見るつもりで読んで笑って、ついでにホロリとして欲しい。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 待望の復刊!, 2006/4/24
レビュー対象商品: やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA) (文庫)
7年ぶり、待望の復刊です。

まさに埋もれていた名作、ハヤカワからの刊行ということで、やっと本来の読者層に向けた土俵に立てた作品だと思います。

題名に惑わされず、1度手に取ってみて下さい。笑いも涙も愛も…すべてがこの一冊に詰まっています。

日本SF界待望の傑作だと思います。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 紙一重, 2002/5/4
 田中哲弥に出会ったのは「異形コレクション」だった。星新一に見いだされた異能作家・井上雅彦が創り上げた恐怖短編アンソロジー・シリーズに、田中が提供した「猿駅」。その奇怪なイメージの奔流に、これは凄いと思った。さっそく他の著書を探したが、すでに遅く、ほとんどが入手不能となっていた。唯一購入できたのが本作である。中高生向けの雑誌に連載されたという事情は考えなくていい。そんなもの田中は気にしちゃいない。好き放題をやっている。メディアワークスという版元はどうやら規制とか安全とかには目もくれない豪儀な体質を持つらしい。素晴らしいことだ。だからこそ秋山瑞人も上遠野浩平も田中も出てくる。吉本興業の台本作家を勤めたという経歴を持つ田中の「芸」がたっぷりと堪能できる一冊。かつてこれほどに哀切でバカバカしいハードボイルドがあっただろうか。ぜひ一読を。
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