「うつ」について調べている時に偶然みつけて手にとった書でしたが大変心に残った作品です。著者はかつてNHKの天気予報の解説等をされていた方でもあり、最近でも講演活動等精力的にこなされていらした方なのでご存知の方も多いと思います。人生の晩年に差し掛かって奥様に先立たれ、精神的ダメージから重度の「うつ」にみまわれ、現在までの経緯を本当に正直に書かれているのに驚きました。大抵の夫婦はどちらかが先に逝くわけですから世間の人間の半分近くは伴侶を失うどうしようもない孤独感を味わうわけなのですが、思いのほかこの類の著述は少ないように思います。その中にあってこれほど真正面から向き合い、真摯にかかれている作品にめぐり合ったのは初めてです。私自身まだ老後を考えるには先のある年齢なのですが、必ずしもご高齢の方だけでなく、20歳代の若い方から働き盛りといわれる30歳・40歳代の方にも読んで欲しい作品だと思いました。