ひろさちや氏が今般、「やまと教」なる概念を打ち出された。
仏教が神道を利用したのではなく、逆に神道に取り込まれたのだとして、
仏教の立場からの「敗北宣言」のようなものまで出している。
日本の宗教について思索するに当り参考になる点は多いし、
人間は不完全な存在であるから他者にもっと寛容であるべきという言葉は真摯に受け止めたい。
また主要宗教について簡潔にまとめているくだりは分かりやすくて良い。
但し明治の国家神道が本来の神道でないという主張には賛同するが、
その本来の神道ならざる国家神道の源流に皇室の祭祀を位置付ける見解は到底首肯し難い。
殊更為政者の神道と庶民の神道(著者のいわゆる「やまと教」)を峻別するのは如何かと思う。
皇室の祭祀が「おおみたから」の安寧を祈る御心と共に在ることを閑却すべきではあるまい。