怪物?精霊?何とも言いがたい不思議なキャラクターがたくさん出てくる、民話のようなアフリカの小説です。この本に登場する者たちは、底なしの欲求を満たしたいだけのプリミティブな存在で、怨霊とか餓鬼に近いかもしれません。また主人公は優秀な「ジュジュマン(ジュジュを使って変身する)」なのですが、それとて万能なわけではなく、凶暴な相手を倒せずに逃げたりします。アフリカ的な発想の一つなのでしょうが、あらゆる魔物は村や森などの境界線を越えることができないので、逃げきれば助かります。また主人公の目的は「死者の国」へ行くことなので、無理して相手を倒す必要はないのです。この本が出版された当時、現地ナイジェリアでは「アフリカの神話を繋いだだけ。拙い英文でアフリカの恥だ、と言われたそうです。しかしそれは他の国から見れば奇想天外な内容で、英語の拙さがかえって味わい深い文章になったという稀有な本でもあります。